子の連れ去りの末、面会交流が叶ったが…

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男性35

行政書士 兼 離婚情報コーディネーターの中森です。

 

Aさんは長い調停の末、離婚が成立しました。

妻から「性格の不一致」を理由に求められた離婚でした。

 

Aさんにしてみれば、最後まで納得のいかない離婚でした。

せめて、自分の分身でもあるひとり息子に会えるよう、

面会交流の条件で「月1回子どもと会う」という要求は

受け入れられ、家庭裁判所の調停調書にもその事項は

記入されました。

 

結婚12年、しかし実際に夫婦としての生活があったのは

5,6年で夫は単身赴任、仕事を持つ妻はAさんの赴任先

に一度も訪れたことはなく、実質的な別居状態でした。

 

そうするうちに妻から離婚請求がおこされ、この問題が

解決するまですでに数年が経過していました。

その間、Aさんは子どもには一度も会っていません。

妻が子を連れ、居所をくらましていたからです。

やむを得ず妻に押し切られた離婚に、恨みを残しながら

離婚を受け入れたのでした。

 

 

◆息子の後ろにいる黒い影

Aさんの望み通り、子どもと会うと決まった前夜、

Aさんは興奮して寝つけませんでした。

なにしろ子どもと会うのは、3年ぶりでした。

 

子どもは今、小学校の高学年、どんな顔になっているのか、

どんな雰囲気の子だろうか、男の子だからスポーツを

しているのだろうか、どういう話をしたらよいのだろう、

食べ物は何が好きなのか…。

 

子どもと接することへの期待と不安で複雑な思いに

とらわれました。子どもと会う場所は会社のロビーを

指定しました。「お父さんはこういう仕事をしているんだよ」

と知らせたかったからです。

 

定刻に姿を見せた息子は、自分の少年時代のように、

ちょっと華奢な体型ではにかみ屋のようでした。

「やあ、よくきたね」 そう声をかけようとして

Aさんはハッとためらいました。

息子の後ろに黒っぽいスーツの男がいて、

こちらに軽く会釈します

 

それは家庭裁判所で何度か会った妻側の弁護士でした。

なるほど、弁護士が付き添っているのか。。。

そう思うと気持ちが急に冷え込みました。

こんな状態でどんな楽しい話ができるのだろう。。。

 

社内のショールームや宣伝用のプレゼントを渡しましたが、

息子は言葉少なくうなずくだけでした。親子が会うのに

監視付きというのは実にやりきれずぎこちないまま終わり、

そして2回目の面接日がやってきました。

 

 

◆息子の存在が遠く感じる

前のように、会社のロビーで待っていると、

今度は息子1人でやってきました。

「そうか、前回の接し方で、こちらは信用されたんだな」、

そう思うとAさんの気持ちはほぐれました。

 

息子と並んで会社を出ると、近くの遊園地に向かいました。

プロ野球球団のイベントが開催されていて子どもたちが

たくさん集まっていたのです。どうやら息子もこの球団の

ファンのようで目が輝いていました。

 

ちょうどファンクラブ申し込みの受付にさしかかったので、

「どう、入る?」と聞くと、ウンとうなずく。

では親子で入会しよう、とそれぞれに渡された申込用紙に

名前を記入しました。息子はどこに住んでいるのだろう、

ちらっと手元に目を走らせました。

 

息子は自分の名前を書き終えると、住所の欄は空欄にして、

「お父さんと同じ場所にして」と言いました。

おそらく母親から言われて、この子は住所を知られないよう

にしている。。そういえば通っている学校の名も話題から

そらしていた。。

 

親子といっても、真の親子としては打ち解けることは

できない関係なのだ。しかし、こうしてギクシャクして

ながらも、接触を重ねればお互いに馴染んでいくだろう。

Aさんはそんな風に自分の気持ちをなだめながら、

「夏休みはどうするの?」と聞いてみました。

会社の保養地へ連れて行って、ゆっくり遊んでやろう。

そう思っていたのです。

 

しかし、、息子の返答は

「ぼく、おじいちゃんと海外旅行に行くの」。。

Aさんは一瞬、言葉が見当たりませんでした。

話を聞くと、海外旅行は何度か経験済とのこと。

離婚せず、一緒に暮らしていたら自分の身分では

そんなことはとてもしてやれない。Aさんは急に息子

存在が遠いものに感じられたのです。

 

 

◆自然な気持ちで会える日が来る

こうして面接するのも息子にとって、どう受け止められて

いるのだろう。

当然の権利として主張した面会交流だが、Aさんは複雑

気持ちになってきました。

 

「お父さんは真面目に生きているよ」

そんな気持ち込めて息子に名刺を渡すと、今後の面接

については、

「きみが会いたいときに電話して。いつでも待っているよ」

と言いました。

 

あれから半年が過ぎ、息子からの電話はまだありません。

しかし、まだまだ先は長い。息子はおじいちゃんでもなく、

母親でもなく、父親と話がしたいというときがくるかもしれない。

自然な気持ちで会うのが一番いい。

あせることはない。Aさんはいつしかそういう心境に達したのでした。

 

 

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なかもり法務相談事務所は、離婚問題という先の
見えない暗闇に灯りをともし、再び子どもと笑顔で
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