離婚 養育費はいつまで支払うのか?
行政書士 兼 離婚情報コーディネーターの中森です。
本来養育費は、独力で生活できない子どもの監護に要する費用
であり、子どもの養育費の支払いを請求できるのは、
原則として子どもが成年(満20歳)に達するまでです。
しかし、満20歳未満の子どもでも、義務教育終了後、すでに働いて
経済的に自立している場合には養育費の負担は必要ありません。
他方、成年に達した子どもについても、親に養育費の負担を
求める事がやむを得ない事情がある場合には、例外的に
養育費の請求をすることできます。
やむを得ない事情が認められる場合としては・・・
・病気や心身の障害のために自活することができない子どもの治療費や生活費
・実際に大学や専門学校に在学していて働きながらでは学業の継続が困難である場合
等で、こういった場合には、その学費や生活費の負担を求めることが
できると考えられます。
◆大学生の養育費
4年生大学に進学した成年に達した子どもの学費・生活費も養育費
として負担しなければならないかについては、次のように述べる
東京高等裁判所の判例が参考になります。
「4年生大学への進学率が相当高い割合に達しており、かつ、
大学における高等教育を受けたか否かが就職の類型的差異に
つながっている現状においては、
子が義務教育に引き続き高等教育、そして引き続き4年制の大学
に進学している場合、20歳に達した後も当該大学の学業を続ける
ため、その生活時間を優先的に勉学に充てることは必要であり、
その結果、その学費・生活費に不足を生ずることがあり得るのは
やむを得ないことというべきである。
このような不足が現実に生じた場合、当該子が、卒業すべき年齢時まで、
その不足する学費・生活費をどのように調達すべきかについては、
その不足する額、不足するに至った経緯、受けることができる奨学金
(給与金のみならず、貸与金を含む)の種類、その金額、
支給(貸与)の時期、方法等、
いわゆるアルバイトによる収入の有無、見込み、その金額等、
奨学団体以外からその学費の貸与を受ける可能性の有無、親の資力、
親の当該子の四年制大学進学に関する意向その他の該当子の学業継続
に関連する諸般の事情を考慮した上で、その調達の方法引いては
親からの扶養の要否を論じるべきものであって、
その子が成人に達し、かつ、健康であることの一時を
もって直ちに、その子が要扶養状態にないと判断する
ことは相当ではない」
大学生の場合、
20歳になったからと言って一方的に養育費の支払い義務はないと
判断することは認められず、色々な条件(奨学金・収入の有無、本人の意欲等)
から扶養が必要かどうか決めていくことになります。
◆将来の大学進学のための学費等については?
実務上では、調停や当事者間の協議や、家庭裁判所の調停において、
養育費の支払いを将来大学進学した場合に大学卒業までと定める
ことがあります。
しかし、当事者間の合意が成立しない場合に、家庭裁判所の審判
において、将来、子どもが大学進学を予定していることを理由として
大学卒業までの学費・生活費まで養育費として支払いを求めることは、
現時点においては認められないでしょう。
この場合には、成年に達した後に学費や生活費が不足することが
明らかになった時点で、家庭裁判所に、新たに監護親が従前の
養育費の支払いの期間延長の調停を申したてるか、
子どもの側から扶養の申立をすることによって、家庭裁判所
に決めてもらうことになるでしょう。
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