親の離婚という「災難」に遭遇してしまった子どものきもち

公開日:  最終更新日:2020/10/07

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両親が別居してから10カ月が過ぎていました。

お姉ちゃんと妹はパパとは離れて暮らしています。

 

お姉ちゃんはママのことがとても気がかりでした。

というのはママが泣いてばかりいて、

「我が家に起きている最悪なこと」

を電話で延々としゃべり続けていたからです。

パパとママは財産や家のローンの問題で争い、今度は子どもの親権で揉めていました。

 

「パパとママが別れる前は、二人とも、夜になると、私のベッドの中でいろんな

お話をしてくれたの。

でも、別々に暮らすようになってからは、楽しいことはみんな消えてしまったわ。

二人ともいつもくたびれていて、イライラしていて、いやなことばかりしゃべっているの」

 

と打ち明けました。

彼女がとても悲しかったのは、

みんなで一緒に過ごす楽しい時間がなくなってしまったことです。

「夜は、パパのお部屋の椅子に座ってパパと一緒に、絵本を読んでもらっていたのに。。」

と彼女はため息をつきました。

 

パパとママにとって、離婚とは冷え切ってしまった不幸な結婚生活から解放される唯一の解決策でした。

けれども、お姉ちゃんには、両親の離婚は解決というよりも災難でしかありませんでした。

生活は激変し、いがみ合いの声ばかりが聞こえてきました。

楽しかったことが次々に消え失せ、両親と過ごす大切なひとときも吹き飛んでしまいました。

 

でも、他の多くの子どもと同じように、自分の気持ちを親に話すことは決してありません。

それは、うっかり何かを言って、ケンカがひどくなったり、余計な心配をかけたりするのが

怖かったのです。

 

これは、決してこの子たちが特別なのではありません。

離婚という災難に出くわした多くの子どもたちの典型例です。

 

 

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